反応式と物質の質量

【物質の相対的な質量】

 原子の量を表すときに,相対的な値(原子量)を用いた。主な原子の原子量を下に示す。

水素H1.0  炭素C12  窒素N14  酸素O16  マグネシウムMg23

     ナトリウムNa23  アルミニウムAl27  硫黄S=32  塩素Cl35.5   

カルシムCa40  鉄Fe=56  銅Cu64  銀Ag108

                              (原子量は,必要なときは与えられるので覚える必要はない)

 

 各物質の相対的な質量は,その物質を構成する(つくっている)原子の原子量の総和となり,これを〔 式量 〕という(H2OO2など分子の場合は,分子量といった)。

 

例)酸化鉄Fe2O3の式量

    Fe原子〔 2 〕つとO原子〔 3 〕つなので,式量は,

〔  56×216×3160  〕 式量は相対的な値(比)なので単位はつけない

 

例題 次の物質の式量を求めよ。

(1) 酸化マグネシウムMgO  (2) 酸化銅CuO  (3) 硫化銀Ag2S  (4) 塩化アルミニウムAlCl3  (5) 炭酸カルシウムCaCO3

 

(1) 231639  (2) 641680  (3) 108×232248  (4) 2735.5×3133.5  (5) 401216×3100

 

【化学反応式と式量】

 銅の酸化を式量で考えてみよう。O16Cu64

 

反応式と式量を使うと,ある量のCuからCuOが何gできるか求めることができる。式量は相対的な質量なので,物質どうしの重さを比べることができる。銅の酸化の場合,「CuO2128g32gの割合で反応し,このときCuO160gの割合でできる」と考えることができる。次の①と②を考えてみよう。

 

① Cu16gからCuOは何gできるか。

  CuCuOの重さの比を考えればよい。CuCuO=〔 128 : 160 〕なので,Cu16gでは,

        12816016x

        x(160×16)/12820g

 ② Cu16gと反応するO2は何gか。

  CuO2の重さの比を考えればよい。CuO2=〔 128 : 32 〕なので,

 Cu16gでは,

1283216x

        x(32×16)/1284g

例題

 鉄Feを酸化すると,酸化鉄Fe2O3が生成する。この反応について後の問いに答えよ。原子量 O16Fe56

(1) この反応を化学反応式で表せ。

(2) 反応する鉄と酸素O2の質量の比を最も簡単な整数比で求めよ。

(3) 鉄11.2gをすべて酸化するのに必要な酸素の量はいくらか。また,このとき酸化鉄は何g生成するか。

(4) 酸化鉄40gをつくるのに必要な鉄と酸素の量はそれぞれ何gか。

 

(1) 4Fe3O22Fe2O3

(2) 4Fe3O2なので,56×416×2×32249673

(3) 鉄と酸素は質量比で73で反応するので,鉄が11.2なら,酸化鉄をxとすると,

  7311.2x, x4.8g

  生成する酸化鉄は,質量保存の法則より,11.24.816g

(4) 2Fe2O3160×2g)つくるのに,4Fe56×4g)と3O232×3g)必要

  酸化鉄40g160×2g18)なら,鉄は56×4828g

酸素は32×3812g〕(質量保存の法則より,402812でもよい)